3月26日(木)、那覇市の桜坂劇場ホールAで、よしもと新喜劇 映画「西遊喜」の上映に先立ち、監督や出演者らによる舞台挨拶が行われました。
春休みに入ったこともあり、劇場には高校生の集団など若い観客が多く詰めかけました。三蔵法師・孫悟空・沙悟浄・猪八戒の衣装に身を包んだすっちー、吉田裕、松浦真也、酒井藍は、舞台中央に立つと会場からは黄色い声が上がり、すっちーがそれに答えるように「飴ちゃんやでぇ~!」と客席に飴を投げるというサービスぶり。客席からはさらに歓声が上がっていました。
作品について質問された嘉納一貴監督は、「もともと西遊喜はNGK(なんばグランド花月)で演じられていた演目。今回はその続きを撮ろうと思って作ったんだけど、カメラを通しての演技になるとステージとは違って反応がないから、演者のみなさんがやりづらかったんじゃないかと心配でした」と撮影時の胸中を明かしました。すっちーはすかさず「でもスタッフの皆さんは笑いをこらえて仕事してはったからなぁ」とフォロー。それに対し松浦が「え、ずっと全編すべりまくってんのやと思っとったわ」と返すなど、ひとつの質問がすべてボケとツッコミにつながるという、いかにも新喜劇のノリが舞台挨拶中繰り広げられました。
台湾ロケの話題になると、すっちーは「まず、自分がこんな格好で、こいつは男なのか女なのか?という笑い以前の視線が現地の人から投げられてたんで、ずっと睨み返してました」と撮影秘話を語りました。また、酒井藍が遊園地で乗り物に乗るシーンでは「体が大きすぎて、安全ベルトが締まらない、ヘルメットはかぶれない、という状態になって。現地の人が2~3人がかりで『フゥ!』とか声を上げながらなんとか締めてもらったんだけど、ベルトの痕が腫れちゃって」と、演技の前から笑いのネタに絶えないロケだったことが伝わってきました。
また、劇中に一瞬だけ出てくる鳥占いのシーンの撮影に時間を要したことや、雨続きの台湾ロケでは、たった1日晴れた日を使って遊園地のシーンを撮影したことを話すなど、撮影には時間がかけられたのかと思いきや、監督は「結構すごい勢いで撮りましたよね。特に最終日」と意外な事実を暴露。メンバーも「そうそう、勢いが大事!」と答え、すっちーは「沖縄に来てから昨日も今日も肉食ってるもんな。今日の舞台挨拶で現場入りの時間が11時30分やったのに、どうしても松浦が肉食いたい!って、さっきまですごい勢いで88(桜坂劇場近くのステーキ店)で食ってたもんな」と、映画でも日々の生活でも、勢いが大切なことをコント風に話していました。
そんな中、ただ一人女優として登壇したリンリン役の池端レイナさんは、新喜劇役者に囲まれての演技の感想を聞かれると、「演技しながら笑っちゃいけないと思っていたんですが、すごく楽しくて。後からカメラをのぞいたら結構普通に笑っている自分が映っていて、これでいいのかなと思いました」と、いつの間にか新喜劇のペースにはまっていたことを明かしました。
そして最後に、すっちーは「小さなお子さんが楽しめる作品になっているので、ぜひ家族で見てほしい。あと、Mr.オクレ師匠の見事なセリフ回し!」と見どころをアピール。また、嘉納監督は、「映画館がNGKだと思うくらいに笑いに包まれてほしい」と話し、「最後のアクションシーンはワイヤーも使っていて、いろいろしっかりと挑戦してもらっています」と、舞台ではできない映画ながらの演出をPRしていました。
会場は終始笑いに包まれ、和やかな雰囲気で舞台挨拶は幕を閉じました。