選考委員会が作品を審査し、上映作品及び優秀賞を選出します。
優秀賞の中から、25日の最終公開審査にて“クリエイターズ・ファクトリー最優秀賞”を選出します。
審査委員長 中江裕司(映画監督)【公開審査参加】
審査副委員長 真喜屋力(映画監督)【公開審査参加】
北村潤伍(自主映画作家) 【公開審査参加】
玄真行(フリーディレクター)
宮島竜治(映画編集)
下地久美子(桜坂劇場 番組編成) 【公開審査参加】
中江素子(脚本家) 【公開審査参加】
浦野大輔(映像プロデューサー)【公開審査参加】
前半、離婚届にはんこを押す押さないの やりとりから、お母さんが若返るまでの間のテンポがよいし、コミカルで楽しめた。
これは、女性的な観点かもしれないが、若返ったお母さんの役の女優さんが、「本当はおばあちゃん」という設定を与えられているだけで、とても好意的に受け止めることができた。
ある朝、目が覚めると痴呆症の母親が、美しい女性に若返っていた。にわかに信じられない主人公だが、母親に誘われるまま、母親の地元へと旅立っていく。(下地)
テンポ良く、パワーを感じました。キジさんがかわいかったのもポイントが高いですが、同じくらい全員がきちんと描かれていて、無駄 なくラストまで突っ走ってくれました。最後の最後まで先が読めないまま、それでも納得のいく展開。ラストの対決シーンでは思わず拍手してしまいました。登場人物と物語を共有できた気がしました。(真喜屋)
『ネオ桃太郎』なる作品を撮影中の、とある大学の映画研究会。いばり散らす監督、やる気のない犬、サークル活動に不安を抱えるキジ、遅刻する猿。そして鬼のようなカメラマン、など個性的なキャラを縦横に使い、奇想天外なギャグがテンポ良く突き進み、最後の対決へと修練する傑作コメディ。
大勢の登場人物を描きながら、最後まで 混乱することなく歩み続ける構成力に感動しました。なによりも出演者の持ち味が生きていて、 最初はぼんやりしているけれど、映画が終わるころには、全員を好きになっている。一人一人と向き合って撮影した感じがとても伝わってきます。(真喜屋)
会社勤めの監督が、母校である中学校で在校生たちと供にワークショップをしながら作り上げた、ひと夏の物語。修学旅行の計画表を破いた犯人は誰か?小さな事件を縦糸に、クラス全員のキャラクターを生かした物語が複雑に交差しながら瑞々しく光り輝く。
ふだん、ヒップホップは、ほとんど聞くことはないが、楽しく観ることができた。
特に、マイがリズム星人に乗り移られたのが、予想外の展開で、ご都合主義といえば、そうなるが、そこからのマイは、笑えるし、なんといっても、その姿は、力強くて、かっこいい。リクが、お母さんにラップで気持ちを伝える、畑のシーンもいい。その後で、リクとマイとお母さんの3人で唄い踊る姿も楽しい。この家族には、きっと明るい未来が待っているに違いない。(中江素子)
東京で仕事をしながらラッパーをしている主人公が、音楽をあきらめ恋人を連れて田舎へ帰ることを決意する。しかし、音楽の装用のない恋人にリズム星人が乗り移り、突如ラップ対決を迫りはじめる。出演者二人の生き生きとした演技とラップ対決が飽きさせない。
言葉で表現する事の出来ない、作者の情熱を感じた。映画のセオリーなど関係なくただ 撮りたいモノ、伝えたいモノを映像に焼き付けた唯一無二の映画でした。若き映画作家たちが見習うべきエネルギーに満ちている。
インディーズとして何十年も映画を撮り続けてきた男と、数々の監督作品に出演した”女子高生の制服”が辿るマイ・フィルモグラフィー。すでに熟女となった女優たちが、あの頃の衣装を着て虚実取り混ぜたインタビューを繰り広げるさまは笑いと感動を生む。
台湾で生れ育った、一人の少女の物語が伝わってきました、彼女の家族やまわりの人た ちのことも。今、このドキュメンタリーを観て、台湾の若者たちの身の内を感じています。
アイドルグループ《スルースキルズ》のメンバーで、台湾出身の少女シュアンが、アイドルに憧れて日本にやって来るまでのセルフ・ド キュメンタリー。
インディペントな精神を感じました。きちんと気持ちが画面にいきとどいていると思います。ただ、脚本があまいと思います。もっと、 脚本を練って自分のやりたいことにまっすぐに向かった方がいいと思います。作品中にも描かれていますが、外に対してどう開いていくかが大切です。次をどう撮るかですね。撮り続けて欲しいです。(中江裕司)
心のどこかが抜けてしまった少女(人形?)。完成しない自主映画を撮り続ける男。どうにもならないジレンマが、シュワンクマイエルの様なシュールな人形アニメともに描かれる。
昨年度クリエイターズ・ファクトリー最優秀賞「いなべ」
深田晃司監督