3月25日(水)那覇市の桜坂劇場ホールAにて、特別招待作品『群青色の、とおり道』の舞台挨拶が行われ、佐々部清監督と主演の桐山漣さんが登壇しました。
同作品は、群馬県太田市が、合併10周年記念で製作した珠玉の作品。夢半ばで10年振りに故郷に戻ってきた青年が、家族、友人、そして自分自身とのほろ苦くも心あたたまる再会の中で、生まれ育った街の景色を背景に、10年の時を経て自分を支えていてくれた人々と向き合う青春映画です。
佐々部監督は沖縄に来るのは30年ぶりで「沖縄ということでアロハを着てきたのですが、あいにくの雨で寒く、せっかく群青色のアロハを準備したのに着ることが出来なく残念」と苦笑い。レッドカーペットを歩いたときも「雨だったのに、哀川翔さんが登場したときは、晴れ間が出てきて『やっぱりスターは違うなぁ』と感心した」佐々部監督と桐山さんの2人で話したそうです。桐山さんは自他ともに認める「雨男」で、撮影中もほぼ雨の中で行われ、いつか「雨を降らせない俳優になろう」と決意したようです。
撮影は群馬県太田市の青年会や、地元の方々の協力を得て、なんと撮影期間はたったの9日間。撮影のエピソードを聞かれた桐山さんは「撮影はずっと曇りで雨も降ったりと、天候には恵まれなかったが、最後の日の森のシーンはバシっと晴れて満足のいく撮影ができた」と振り返っていました。
映画のテーマの一つ「人生の再出発」として、佐々部監督は転機となったエピソードを聞かれ「最初は映画評論家になりたかったが、18歳のときに女の子にモテたくて映画作りを始めた。それが人生の大きな転機で、当時は何よりもそれが大事だった」と明かすと、桐山さんも大きく頷いていました。
劇中では実際に桐山さんがギターの弾き語りをしていて、それを聞かれた桐山さんは「撮影に入る前に1ヶ月も練習をして、佐々部監督の前で練習の成果を披露したら、サビに行く前に、桐山くんで決定だねと言われた。佐々部監督に『じゃあ、お祝いにビールで乾杯だ』とビールを出されて戸惑った」と、出演決定の裏にあった意外なやりとりを暴露。会場は微笑ましいエピソードに終始和やかな雰囲気でした。
最後に桐山さんが「観てくれた人の心に残る映画になっていると思うので、最後までこの映画の世界に入ってもらえれば」とアピール、佐々部監督は「New桐山漣が観られる映画にした。低予算で作ったから宣伝するお金がないので、観て気に入って貰えたらブログSNSで感想などを呟いて育ててほしい」とちゃっかり宣伝までもお願いする佐々部監督の言葉で舞台挨拶を締めくくりました。