3月28日(土)那覇市の桜坂劇場、ホールCにて地域発信型映画『ウゲウゲ!』、『泣がぃん』の上映と舞台挨拶が行われました。
最初に上映されたのは高知県高知市の『ウゲウゲ!』。ニブンノゴ!の森本英樹が演じる主人公・梅太郎と商店街の仲間は、高知に観光客を呼び込みたいとさまざまな企画を試みるも失敗の連続。そんなある日、駆り出されたお通夜でベロベロに酔っ払った“おっちゃん”たちを目にしてあることに気づき…、というストーリー。タイトルの『ウゲウゲ!』は土佐弁の「歓待する」という意味からきています。
大きな拍手のなか、舞台挨拶に登場したのは間寛平と高明監督のふたり。間は劇中で、要所に登場するナゾのおっちゃん役で出演。まずは「アヘアヘウヒハ~」といつものゆるい調子で挨拶し、会場の皆さんの拍手を浴びました。
高知の魅力を聞かれた高明監督は「人ですね。すごい勢いで酒を飲まされるんですけどね(笑)」とズバリ。「皆さん(物事を)やる、やらないを決めるにはすごい時間をかけるんですけど、やる!と決めたらものすごいスピードで取り組むんですよ」と高知の皆さんのパワーについて力説。
間は、演じたおっちゃんの役作りについて「役作りもなにも…」と苦笑い。実際にいた酒飲みのおじさんを参考にしたそうで、「ずっと『オー、イェー』って言ってたんですよ、そのおっさん。でもほとんど寝てたなぁ」。自由気ままなおじさんのエピソードを暴露しました。
舞台には高知市のNPOうげうげ王国の皆さんも登壇。映画終盤の高知城前での宴会シーンでは300人もの方が集まり、おつまみなどは参加者が持参したとか。ただ「撮影だから酒はNGで水にしていたはずなのに、知らない間に本物の酒を飲んでいて(笑)」(高明監督)。お酒好きでとにかく明るい高知の皆さんの人柄が存分にあらわれた舞台挨拶となりました。
2本目の映画は宮城県気仙沼市を舞台にした『泣がぃん』。東日本大震災から4年がたち、主人公・優(あべこうじ)が久しぶりに故郷の街に戻るも、大切なときにそばにいてやれなかった妹・望希(真野恵里菜さん)の心は離れたまま。そんな中、仮設住宅で暮らす少年とかつての自分の姿が重なり、隠しきれない思いがこみ上げてくる、というストーリーです。
上映後に登場したのは、タクシー運転手役で登場した、しずるの池田一真と菊池清嗣監督。菊池監督は「地域発信型プロジェクトで、3.11以降の映画を製作したのは今回が初めて。映画を作るにあたり、今の気仙沼を見に行きました。人の温かさ、そして復興が進んでいない状態に触れ、これを映画にしようと思いました」と、今回の映画製作について語りました。
一方、池田は「僕は主人公ではないんですが…。今日の舞台挨拶、僕でいいんでしょうか。申し訳ないです」と恐縮しきり。撮影で地元のホテルの方、タクシー会社の方が尽力してくれたことに触れ、大変感謝していると話しました。
舞台には撮影に協力した気仙沼市の皆さんも登場。今の気仙沼を知ってほしい、という気持ちから本プロジェクトに応募したことや、ある高校生が話した“被災地・気仙沼を観光地・気仙沼に”という言葉にハッとさせられたとの思いが語られました。
最後に菊池監督が「この映画は現状の気仙沼を映しています。10年後、20年後見返したときに、気仙沼がどう変わったかの記録になれば」と話し、「気仙沼をはじめ、いろいろな地域で上映できればいいですね」と今後の上映に期待を込め、舞台挨拶を締めくくりました。