3月26日(木)那覇市のよしもと沖縄花月で開催された「島ぜんぶでおーきなミーティング ~Big Meeting in Okinawa~」にて、パネルミーティング【クールジャパンとエンタテインメント】が行われました。
沖縄国際映画祭や各種イベントを通じて培ってきた、“沖縄発”のアジア・海外に向けたコンテンツやプロジェクトの全容について発信することで、沖縄の知名度向上を目的として開催。また、沖縄・日本国内と海外のエンターテイメントに携わる関係者の連携を通じて、知的交流機会や、新しいエンタテインメントビジネスの創出も狙いとして開催された同企画。モデレーターには、情報通信総合研究所にて、日本国外のメディア、コンテンツ業界の調査研究に従事する志村一隆さんが登場しました。
パネリストとして、橋本泰さん(クールジャパン機構 マネージングディクレクター)、大田原隆広さん(イオンモール沖縄ライカム ゼネラルマネジャー)、三澤一裕さん(Twitter Japan 株式会社メディア事業部エンターテイメント&スポーツ チームマネージャー)、戸田義人(株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー 代表取締役副社長)、高龍太郎(吉本興行株式会社 海外戦略本部本部長/よしもとエンターテイメント台北 代表取締役)、ウイム・マノーピモーク(吉本興行株式会社 海外戦略本部本部タイ代表/よしもとエンターテイメント・タイランド 取締役)の、計6名で進行されました。
4月25日にオープンを控える、史上初の“リゾートモール”として話題のイオンモール沖縄ライカム。コンセプトの“この島を、もっとおもしろく”を体現すべく、「テナントである『よしもと47ご当地市場 沖縄ライカム店』を中心に、沖縄のおもしろいもの、さらに沖縄で日本の良いものをどんどん発信」すると意気込みを語る大田原さん。
翻って、「海外資本のTwitterが何故クールジャパンなのか?」と訪ねる志村さんに対して、三澤さんは「Twitterは情報拡散において役立つ」と前置きし「スマホをいじりながらTVを観て、Twitterでつぶやくのが今後のスタンダード」TVとネットの親和性における情報発信の可能性を説明されました。
海外の状況を説明した戸田からは、アジア全域で日本のエンターテイメントコンテンツを推進することを目的に設立した合弁会社『MCIPホールディングス』の事業を紹介。「これまで弊社(株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー)では、47都道府県に社員・芸人を配することで、それぞれの“地域のニーズ・想い”を全国に発信する活動を行ってきましたが、この事業を『住みますアジア芸人』として、いよいよアジアに広げる、弊社が培ってきたコンテンツを有効活用し、世界に発信することを目的としています。日本のエンターテイメントを、地域に合った形で伝えていく」と、アジアにおけるコンテンツ発信の新しい試みを、説明しました。
上海出身で、台北で事業を束ねる高は、「仕事ではなく、楽しいことをやっているよと“自慢する”」という自身の経験を引き合いに、その姿勢こそがアジア各国で奏功したと、独自の方法論を述べました。「とにかく楽しく展開するために、弊社が一方的に投げるのではなく、現地の制作会社と“一緒にやる”ことが重要」との力強い訴えは、説得力がありました。
タイで指揮を執るウイムも同様に、「文化・物産など、クールジャパンのコンテンツは様々あるが、eコマースなどを用いて、さらに広げていくには、アライアンスを探すこと、そのためのPRが重要」と述べました。
「点を面に、シナジー効果を生んでいけるか」という橋本さんや、「ローカルをグローバルに…、“グローカル”を実践できるか」という大田原さんの具体的な課題なども上げられつつ、まだまだどこまでも広がっていきそうな興味深いディスカッションは今後の可能性をおおいに感じさせつつ幕を閉じました。