3月27日(金)那覇市の桜坂劇場ホールCにて桜坂映画大学で、時代劇学科「鬼龍院花子の生涯」の上映と舞台挨拶が行われました。
上映前に行われた舞台挨拶には、五社英雄監督の大ファンだと言う友近と、今回初めて五社英雄作品を見るというガレッジセール、特別講師として時代劇研究科の春日太一さんが登壇しました。
友近は「こんな素敵な作品が30年前に作られた事にびっくりする。キャスティングや、あの名台詞『なめたらいかんぜよ!』のタイミングにも注目して欲しい」と熱くコメント。春日さんは監督のこだわりや、元フジテレビのディレクターだった経歴などを説明してくれました。極道映画や強烈な濡れ場シーンが有名な五社監督ですが、「極道映画の撮影時の活気あるシーンには、実際に本物のヤクザをキャスティングしたり、細部まで役者さんに伝えるために濡れ場のシーンを実際に助監督と再現して見せる」という春日さんのコメントに一同驚きを隠せません。「でもなんか変な感じ。それを見るスタッフはどんな気持ちなんだろう? 今から映画を見ても五社さんもこれやったんだ。って変な目で見てしまう」とゴリのコメントに会場からは笑いが漏れました。
今回、1982年公開時から使用されている世界に1本しかない貴重なフィルムを使った上映だったため、独特な雰囲気の映像が楽しめました。さらに、上映中には作品の裏話や監督の細部までのこだわりや工夫を説明してくれた春日さんのおかげで、より深く作品に触れることができました。物語は土佐の侠客・鬼龍院政五郎と養女・松恵。これをとりまく周辺の女たちの愛憎を鮮烈なエロティシズムとダイナミックな映像美で描かれています。その圧倒的な映像迫力と展開に会場の観客も引き込まれ、映画終盤には会場からすすり泣く声も聞こえるほどでした。
上映後の舞台挨拶には「友近がこんなに言い続ける意味が分かった。深い。刺激が強すぎる」とゴリ。川田も感動した様子で「すごい!」と絶賛。二人とも作品に圧倒された様子でした。「絶対飽きさせない工夫がされている」と話す春日さんに、「仲代達矢さんの演技力がすごい。褒め言葉として、狂ってる」とゴリがコメント。春日さんはそこがキャスティングの理由だと裏話も明かしてくれました。
「友近は何回も見ているはずなのにすごい泣いてました」とゴリに言われ「何回見ても泣いてしまう」と答える友近に春日さんも共感。「この作品はホームドラマでもある。松恵が来たことで初めて3人が本当の親子になっていく姿が描かれている。見れば見るほど発見がある作品です」との春日さんの言葉に、友近も「いろんな人に見てほしい!」とコメント。最後にゴリは「今度ツタヤで僕は五社監督コーナーにいると思う」とすっかり五社英雄ファンになった様子でした