3月29日(日)那覇市のシネマパレットにて、特別招待映画『夫婦フーフー日記』の上映と舞台挨拶が行われました。
同作品は、実在の闘病ブログを書籍化した「がんフーフー日記」(川崎フーフー著)が原作となっています。作家志望のダンナ・コウタがヨメ・ユーコと出会って17年目にして結婚するも、その直後にヨメの妊娠とがんが発覚。入籍から493日後に1人息子のぺ~を遺して、ヨメは亡くなってしまいました。悲しみに暮れる中、闘病ブログ出版の話が舞い込み喜ぶダンナ。そんなダンナのもとに、死んだはずのヨメが現れます。ダンナが執筆した闘病ブログを読みながら、ヨメと共に結婚から死ぬまでの時間を振り返ります。今回の映画化にあたり“死んだはずのヨメが、残されたダンナの前に現れる”という設定が加わった、泣けるコメディ映画です。
映画上映後、前田弘二監督が登壇しました。「本日は、お越しくださいまして有難うございます」と挨拶し、沖縄でお客さんに観ていただいたことについて「嬉しいです」と、率直に喜びを口にしていました。今回が初の沖縄だという前田監督は、今朝沖縄に着いて、すぐ国際通りで行われていたレッドカーペットに参加し、その後舞台挨拶に来てくださいました。種子島出身の監督ですが、(種子島と比べて)「空気感など違いますね」と沖縄のことについて触れていました。
物語については、「泣けるコメディということで、楽しいけどどこか切なかったり、悲しいけどどこか微笑ましいという作りになっています。ここで笑って欲しいとか、ここで泣いて欲しいというジャッジはあまりつけないようにしています。見ている流れの中で感じ取っていただければ」と制作の意図について説明してくれました。「次々起こる事態の変化にどう対応するかという物語ですが、とても明るく作られています。感情の繊細さなど夫婦の人柄が見えて、こちらが救われるところもあるし、身近に感じるところもあると思います」とコメント。
夫婦役の佐々木蔵之介さんと永作博美さんについて、「2人の掛け合いが見たいなと思ったのと、コメディに必要な大胆さや気持ちの繊細さを兼ね備えた演技を魅せてくれると思ったからです」と、キャスティングの理由についても明かしてくれました。実際に、撮影中は2人の掛け合いで周りが笑いをこらえるのが必死なほど、息が合っていたといいます。ちなみに同作品では監督だけでなく、脚本についても林民夫さんと共同執筆しています。「林さんから原稿をもらった時、すでに構成がしっかりできていた第一稿をもらいました。なので、僕は物語の“スジ”ではない部分を作るようにしました」と、劇中のシーンを例に挙げて教えてくださいました。
泣けるコメディですが、観てくださる方それぞれが自由な見方で感じとってほしいとのこと。「5月30日から全国で上映されますので、夫婦、家族、友達と一緒に観てください」とコメントを残し、拍手の中、舞台挨拶は終了しました。