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2015.3.26

真面目でエッチでおバカなコメディ「ワンナイト・スタッド」
3月26日(木)、那覇市の桜坂劇場ホールCにて、中国初の沖縄ロケ映画「ワンナイト・スタッド」の上映と、リー・シンマン監督らによる舞台挨拶が行われました。

「ワンナイト・スタッド」は設計師で生計を立てる女主人公が、30歳を目前に「遺伝子が優秀な赤ちゃんだけ欲しい!」と、人気DJと一夜だけの関係を結び、見事希望通りに妊娠し、シングルマザーとなるのですが、そこから様々な騒動が巻き起こるという、ちょっとエッチでおバカなシーンもたくさんのラブコメディです。

鮮やかな赤いドレスで登場したリー監督は、この作品を作ったきっかけについて聞かれると、「今、中国の女性の地位は高くなってきており、いろいろな権利を手にしました。しかし、それと共に多くの不満が出てきました。女性には出産適齢期があり、子どもは欲しいけれど結婚はしたくない、という女性が増えたことで新しい社会問題となっています。それを女性の視点から描きたいと思ったのです」と、映画全編に盛り込まれたコメディからは考えられないような話をし、観客を驚かせました。

映画のラストシーンは沖縄で撮影されているのですが、沖縄をロケ地に選んだ理由についてリー監督は「映画を企画した段階で、ラストは海外にしようと思っていたのだが、どこかまでは決めていなかった。沖縄からロケの好条件が提示されたのでいろいろ見て回ったところ、コメディ映画にぴったりの明るい文化、そして人のあたたかさがぴったりだと思ったし、決め手になったのは海洋博公園の長い階段。あの階段はラストシーンを盛り上げるのにぴったりだと思ったんです」と話し、沖縄撮影の経緯を説明。

また、監督だけでなく、主演のおじいちゃん役を務めたリー・チャンミンさんも、着ている赤いかりゆしウェアを指差し「私は映画のエンディングで沖縄で服を作っていますが、その時に若くて美しい人を彼女にしたので、今回沖縄に来た時もすぐ彼女に会いに行ったんですよ。今日も連れてきたかったのですがお店に置いてきてしまいました」と冗談を言うくらい沖縄を気に入った様子で、プロデューサーのデヴィッド・ワンさんも「沖縄で新しい映画を作るチャンスがあれば、また作りたいです」とにこやかに話してくれました。

残念ながら今回登壇できなかった主演女優のジャン・イーイェンさんとジェン・カイさんからはビデオレターが届き、二人とも「今回、沖縄で撮影されたこの作品が、沖縄国際映画祭で上映されることが嬉しいです。現地に行けないのは残念ですが、ぜひ皆さん映画を楽しんで下さい」とメッセージを送り、会場に華を添えました。

今回の舞台挨拶には、応援芸人としてコロコロチキチキペッパーズの二人が駆けつけ、言われた言葉をいい声で言い返すという持ちネタの“ナダルリバース”を披露することに。お題を考えることになったリー監督は「難しいけれど覚悟はできてる?」と、「有種你愛我(ワンナイト・スタッドの中国語タイトル)」をお題にしました。ナダルは必死に中国語で“ナダルリバース”を行い、見事2回目で成功!会場からもリー監督らからも拍手を受けていました。

最後にリー監督は「今まで香港の映画会社が沖縄で撮影したことはあったが、中国本土の会社で撮影したのは私が初めてなので光栄に思っています。チャンスがあれば仕事でもプライベートでもまた沖縄に来たいので、その時は皆さん、あたたかく迎えてください」と笑顔で話し、満席の会場からはいつでも歓迎!という気持ちのこもった拍手が続き、和やかなムードで舞台挨拶は幕を閉じました。